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本歌とは…

私たち石屋が言う「本歌」というのは、何々型灯籠の最初のひとつ、オリジナルの灯籠の事を指します。
お寺や神社の名前が付いた灯籠が多いのは、大抵そういった本歌がお寺や神社にある事が多いからです。
幸運にも破損や倒壊を免れた灯籠は、今現在もそこに建っており、この目で見ることもできます。中には個人所有のものだったり、拝観が制限されている場所に建っているものもありますので、全てが見られるとは限りませんが。
現地にて調査してきた灯籠をこのページで少しずつですが紹介いたします。
注文があれば製作いたします。興味のある方はご連絡ください。

灯籠の名前から探したい時などは、ページ末尾の 掲載している灯籠の本歌一覧へ

近江地方の本歌

近江(滋賀)地方には本歌(オリジナル)の灯籠がたくさんあります。
この地方に多い「連珠紋(連珠文)」は他の地方にはあまり見られない装飾です。火袋が大きめですが全体のバランスは取れている感じです。

建部神社型灯籠

高さ7尺2寸(218cm)、重要文化財。大津市神領にある。
近江で一番古い在銘のある灯籠。本殿右側に木柵の中に建っている。
基礎の背は6寸と高く、側面は一区で格狭間がある。上端の蓮弁は低平である。
竿の中節は連珠紋である。
中台の下端は単弁で厚みがあり過ぎ重苦しい。側面は二区の横連子である。
笠も厚みがあり、蕨手は立ちぎみではあるが柔らか味がある。
宝珠は二段の六角露盤の上に形の良い珠を載せる。
竿に「文永七年」の銘あり。

こちらは当社に製品があります。 立ち灯籠のページをご覧ください。

石山寺型灯籠

高さ6尺5寸6分(199cm)、室町時代の作品。
石山寺本堂に上がる石段の途中左側にある。

月心寺型灯籠

高さ225cm、室町時代前期(応年8年・1401年)の作品。
八角の石幢であったものを火口を作り灯籠に作り直したもの。
元は京都府宮津市溝尻の長徳寺にあったものが橋本関雪画伯の所蔵となり、月心寺に収まった。
基礎上端に複弁の反花を刻出する。火袋は六地蔵と蓮座上の月輪内に「ア」の梵字が入る。
笠には蕨手なし。宝珠は後に追加されたもの。

当社に模刻した製品がありましたが、お買い上げいただきました。その写真は 立ち灯籠のページをご覧ください。

西教寺型灯籠

高さ273cm、鎌倉時代後期の作品。
元は甲賀市信楽の浄福寺にあったものをいわれている。現在、宝物倉に入れられ見ることができない。

神田神社型灯籠

高さ201cm。南北朝初期の作と思われる。
火袋より上は後補。。
基礎側面は各一区に格狭間が入り、上端は複弁。
竿の中節は連珠紋、中台の側面は無地。下端は単弁である。

望湖神社型灯籠

高さ7尺5寸。鎌倉時代後期の作品。
六角形、完存している。
笠の側面が蕨手も含め平らになっている。
火袋の格狭間に三茎蓮がある。柱に上節、中節、下節に連珠紋がある。

沙沙貴神社型灯籠

高さ237cm。正安二年、鎌倉時代中期の作品。
恐らく火袋と笠は江戸時代に後補されている。 基礎は珍しく円型で、側面は無地。上端は背の低い複弁の反花で彫りも浅く控え目。
しかし全体に重量感があり、竿の中節を連珠紋で引き締めている。

三所神社型灯籠


高さ208cm、建武四年、鎌倉時代の作品。
基礎側面には格狭間の中に開蓮華が彫ってあり、上端は複弁の反花で、竿受座の周りにも立った請火式の短かい蓮弁で飾ってある。
竿は円柱で連珠紋の三節、中台は蓮台式で、下端は二段の蓮弁で、弁端を上から切り込んだようになっている。
火袋には火口の他は四天王の半肉彫で、南北朝時代らしく極度に飾り立てている。
宝珠も請花付き。

こちらは当社に製品があります。 立ち灯籠のページをご覧ください。

剣神社型灯籠

高さ6.7尺。元応元年(1319年)の作品。
基礎は厚く無地。上面は複弁の反花で、十二葉を彫り大きく見える。
竿は短かめで、沙沙貴神社型と似ている。
中台下端の蓮弁は著しくふくらませ、基礎が厚いのに相対させている。
竿が短かめなのは基礎が高いためで、笠の反り起りが大きいのは近江地方に多い特色。
宝珠は大きする割に、笠が小さすぎる感じがあるが、これは後補のためだと思われる。

《本歌の写真》(後方から)

高木神社型灯籠

高さ212cm、正和4年(1315年)。
宝珠の火焔の文様が縦に入る。
笠は蕨手の巻き込みの中を貫通して穴があいている。
火袋は円窓と散蓮一片の穴。
中台は側面は二区に分け、格狭間に一茎蓮と宝瓶三茎蓮とが彫らており珍しい。
竿は連珠紋が上中下節に巻いてある。 基礎は側面に格狭間、上端は単弁反花。

こちらは当社に製品があります。 立ち灯籠のページをご覧ください。

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奈良地方の本歌

奈良市内及び山添村に多くの本歌がみられます。
灯籠の特色としては、春日大社の西ノ屋型のように四角い灯籠が多く見受けられます。
他の地方では四角の灯籠はあまり見られません。

三月堂型灯籠

東大寺法華堂(三月堂)の正面に建つ、立ち灯籠の基本型とも言える灯籠。高さ269cm。
鎌倉中期、建長6年(1254年)、石工・伊行末(宋国人)の作。
蕨手が一部欠けてはいるものの状態はよい。
火袋は上中下に別れ、上区は二区の横連子、中区は上半に縦連子、下区は二区の横連子。
中台は八角の角側面を二区に分け格狭間を飾り、上端に二段の受座、下端に単弁を飾る。
竿はエンタシスのついた円柱型で、三節によって引き締めている。
基礎は自然石のまま上部に反花を彫り出している。

こちらは当社に製品があります。 立ち灯籠のページをご覧ください。

戸隠神社型灯籠

室町初期の作を思われる。高さ210cm。
宝珠は請花に蓮弁。
笠は下部に一重の垂木型。軒は水平に伸び、隅で少し反り上がるのは室町初期の特色。
火袋は後補らしく別物があてられている。
中台は上面に二段、側面二区に分けて格狭間が両方に入る。下端に覆輪式請花が彫られている。
竿は四面素地。
基礎は上端に複弁反花、上面に受座。

中墓寺型灯籠

室町中期・明応3年(1494年)の作。高さ196cm。
笠、火袋、中台、基礎は四角だが、竿は円柱状になっており珍しい。
笠は簡素で隅が反り上がっている。
火袋は月日の穴がある。
中台の受座は竿に合せて大面取りがしてある。
竿に年号が入っている。

水分神社型灯籠

鎌倉時代末期と思われる。高さ233cm。
笠は重厚感があり、蕨手は小さい。
火袋は火口以外の四面全て上区二区に横連子、下二区に分かれる。
中台側面は二区に分かれ、下端は複弁の蓮弁。
竿は太く三節が入る。
基礎は側面が二区に分かれ、上端は複弁の反花。
地方色のある灯籠で、奈良では珍しい形。

小夫(おうぶ)天神社型灯籠

嘉歴2年(1327年)の作。高さ170cm。
宝珠には出来のよい請花。
笠は美しい反り起りがあり、蕨手は立ち上がりが直立して先で小さく巻き込む。
火袋は二面に蓮華座上に立つ観音、合掌する観音が彫られている。
中台側面は二区に分かれ格狭間が、下端に単弁が彫られている。
竿は帯状節が3つ。中節はあまり出張らない。中節下に刻銘あり。
基礎は上端に複弁反花、側面は無地。
鎌倉後期の典型的な作例として貴重な灯籠。全体の造形、バランスも良い。

安居(あんご)院型灯籠

飛鳥大仏で有名な安居院(飛鳥寺)本堂裏に立つ。南北朝中期、高さ174cm。
宝珠は失われており、五輪塔のを後補されている。
笠は南北朝の形式。
火袋は火口と丸窓の他は十字形の桟を刻み、上区二区に横連子、下二区に斜め十字を刻む。
中台は側面二区で格狭間、下端は単弁請花。
竿は帯状節が3つ。柱下方が太くなっており珍しい。
基礎は側面二区に格狭間、上端は複弁反花。

法隆寺型灯籠

法隆寺五重塔の近くに立つ。鎌倉中期の作風。高さ240cm。
宝珠は上述した安居院型と同じような蕪玉なので、こちらも後補かもしれない。
笠の背が高く盛り上っており、軒下には垂木が刻まれている。
火袋は上は二区連子、下は二区に格狭間。
中台は下端の蓮弁が側面まで覆っており、覆輪付き単弁
竿は太めで、三節が入る。
基礎は六角切石状で、上端に覆輪付き単弁。
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